スケルトンとは?
 
スケルトン競技とは、ボブスレー・リュージュ兼用の氷で作られた、全長1300m〜1500mのコースを鉄製のソリで滑り降り、そのタイムを競う競技です。最高スピードは、約時速130kmにも達する事があります。
この競技の特徴は、足を前にして乗るボブスレー・リュージュ競技とは異なり、頭を前にして腹這いになってソリに乗るところです。いわゆる、ウルトラマンやスーパーマンが空を飛ぶようにしてソリに乗ると言う事です。欧米においては、広く盛んに行われている競技ですが日本では知名度が低く、僅か10名足らずの選手しかいません。しかし、年間4戦のワールドカップと世界選手権が行われており、日本チームも全てに参加しております。
このスピード競技は、スイス(サンモリッツ)が発祥の地で、雪上でのソリ遊びから生まれ、第二回、第五回の冬季オリンピックでは正式種目として行われていました。しかし、その後は様々な理由で、オリンピック種目から外されてしまいましたが、ここ数年競技人口も増え、もう一度オリンピックへ復活させようという動きが、世界各国で高まってきました。そういった中、皆様もご存知のように、1998年には長野で冬季オリンピックが開催されました。しかし残念ながらスケルトン競技の長野冬季オリンピック種目採用はありませんが、ボブスレー・リュージュ競技と同様のコースを使用して行えるこのスケルトン競技を、この機会に広く皆さんに知って頂き、是非もう一度オリンピック種目に復活させる事と、日本のスポーツ文化にこのスケルトン競技を確立させるために、皆様の深いご理解、ご協力をお願い致します。

スタート開始 0→15m位助走 助走後 飛び乗り時速130Km
曲がる時は、
右カーブの時は左肩を押し込む
左カーブの時は右肩を押し込む

そり(スケルトン)
スケルトンとは骨格または骨組みを意味する言葉で、その形がランナー(滑走部)とシャーシー(車台)のみの極めてシンプルな骨組みだけであることからきています。
競技者は、ソリに頭を前にして腹ばいになって乗り、重心移動によってソリを操作致します。ハンドル、ブレーキは付いておりません。ランナーと呼ばれる滑走部はソリの左右に付いており、長さは約lm、太さ約16mm鋼鉄製の丸棒で作られております。このランナーの最大の特徴は、ランナー中央部から後部にかけて掘られている2本の溝です。この溝がスキーで言うエッジングの役目をし左右にがりやすくします。全てのソリは国際ボブスレー・トボガニング連盟(FIBT)の規則に沿って、規準化されています。

そりの規格
最大長:80cm〜120c  最大幅:34cm〜38cm 最大高=8cm〜20cm   最大重量=43kg(ソリと競技者を合わせた総重量は115kg未満) ランナー規格=16cm

シンプルなしかもスピード感あふれる競技


用具
滑走の際競技者は、軽量なヘルメット(ほとんどの選手がダウンヒルスキ-用のヘルメットを使用しています)、伸縮性と空気抵抗を考えた体にぴったり合うレーシングスーツ、氷上でもソリを押しやすいスパイクシューズ(陸上競技用スパイク、ピンの長さは7mm未満、ピンの数は8本末満)、手袋、エルボーパットを使用します。

競技
毎シーズン、ワールドカップが4大会、世界選手権が1大会、その他専大会が開催されております。ワールドカップには1ケ国6人までエントリーが出来、世界選手権にはTケ国4人までエントリーが出菜ます。大会は、ワールドカップは2本滑走による合計タイム、世界選手権は4本滑走による合計タイムによって競われます。
大会ではスター順を決定するためのシードシステムが採用されています。競技が進むほど氷のコンディションか悪くなるので、早い順番ほど滑走が有利です。シードシステムはワールドカップの成績によってポイントが与えられ決められます。獲得ポイントの最上位選手から15位選手までを第1グループ、16位選手から30位選手までを第2グループ、それ以下の選手は第3グループとなります。スタート順は各グループごとに抽選を行い決められます。但し、いくら獲得ポイントが多くても一つのグループには1ケ国3選手しか入れません。
スケルトンのスタートは、ボブスレーと同じスタート板からボブスレー用に造られたソリをまつすぐ押すための2本の溝の片方にスケルトンのランナーの片方を入れソリに加速をつけるために全速力でソリを押し、バレーボールのフライングレシーブの様にしてソリに飛び乗ります。スタートのタイミングは合図があってから30秒以内にしなければ失格となります。スタート直前にソリ、ランナー、スパイクの規格テストとランナ-温度の確認があります。そして、ゴール直後には重量検査があります。いずれも規則に則していない場合は失格となります。 勝敗の行方は、スタートダッシュの速さ、コースのライン取り、空気抵抗の少ない滑走フォームによって決まります。

  連盟HPに戻る